みつまいん雑記 2026年4月


2026-04-07

改めて 猟奇王を思ふ


こんにちは。
Xの方では毎日のように垂れ流していますが…こちらの方で記事を書くのは久しぶりですね。

さて、早速ですが今回のテーマは「猟奇王」です。
作者である川崎ゆきお先生の訃報からはや一年半…先生のサイトをリンクのページに貼り付けておきながら、遅すぎるとは思いますが語らせていただきたいと思います。

猟奇王 とは


ご存知ない方もいらっしゃると思いますので、まずは基本的な解説から。

猟奇王とは、かの有名な「ガロ」誌上で掲載されていた漫画作品です。
独特な脱力した絵柄で、リアリズムの風が吹く現代にロマンを追い求める男「猟奇王」の苦悩と活躍を描くこの作品は、作者である川崎ゆきお先生の「ライフワーク」とも言える作品で、先生本人の自画像ですら猟奇王になっているほど。

ガロの中でもとりわけ異色を放ったこの作品は、万人に薦められるわけではありませんが、私は特に大好きな作品の一つです。

猟奇王との出会い


私が猟奇王に出会ったのは小学生の頃。 何か面白い漫画はないか、と母に尋ねたところ猟奇王の単行本を渡された記憶があります。

なんと言っても母親(高齢)がオタクな家で、かつ築年数の経った古い実家に住んでいるので、こう言った掘り出し物はよく出てくるのです。ガロの雑誌本体もあったようですが、捨てたか無くしたかしたようで…いずれにせよ惜しいものですね。

さて、そんな小学生の頃に猟奇王を渡された私は、見事に狂いました。もともと父親が読んでいた男塾シリーズや姉が持っていた南国少年パプワくんを読み漁っていた子供でしたが、猟奇王あたりから完全に「陰のオタク」になったと思います。その点で言えば、私の人生に一番影響与えた作品なのかもしれません。

なぜ私が猟奇王を愛しているのか


一言で言えば、「猟奇王と自分を重ねているから」です。

主人公の猟奇王は働きもせず、ロマンを追い求めてなにか大きな事をしようと思っています。しかし、いつもすることといえば、部下の忍者にボヤくのみ。やれ世間はこうだ、周りはどうだ、と。行動に移すことはなく、まず物語の最初はこのボヤきから始まることがほとんどです。

周りからは、「あんたしかいない」「あんただけができる」そう言われても、自分のことを時代遅れだと言って、行動を起こさずじまい。

うーん、私にとても似ています。

世間からの外れもので、でも世界を変えたいと思う。
ひねくれた否定的な考えをボヤき、世間とは違う自分に酔い、しかし行動には移さない。
他人からの期待や応援ですら、自分のことと感じられない。

小学生の頃からこの作品は好きでしたが、最近になってから痛いほどわかるようになってきました。あまりにもこの猟奇王という男は自分に似ています。

とはいえ、猟奇王はやる時はやります。
幻の町を追い求めて丹波山中を冒険したり、大阪の街上空を気球で飛ぶ、古典的な怪人を演じたり。

そしてそんな猟奇王に、社会人として生活するうちにロマンに飢えた大人たちが魅せられ、「猟奇に走る」のです。

私も皆様に「ロマン」を見せられる…そんな猟奇王のような存在になりたいと思っています。

自己の投影であり、憧れでもある。それが私にとっての猟奇王というキャラなのでしょう。

もちろん他にも、魅力的な登場人物がたくさん登場します。
猟奇王の手下「忍者」や、自分も取り残された存在だと知りながら猟奇王を追う「沢村探偵」、その甥の「便所バエ」、猟奇王のライバル「快傑紅ガラス」、東京の「東京猟奇軍団」…etc
社会人として真っ当な人生を送る人間は出てきません。みなリアリズムの風の吹く現代に、ロマンの香りを追い求めている。

猟奇王の単行本が刊行された1979年ですらこれなのですから、この令和の現在…皆さんはロマンを感じれるでしょうか。

終わりに


ほぼ自分語りのようになってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

万人にお勧めできる作品ではないと書きましたが、この記事の内容に心当たりのある方はぜひ手に取ってみてください。kindleにもあるので、手軽に購読することができると思います。

最後に、このような素晴らしい作品を生み出してくれた川崎ゆきお先生に感謝を。


それではまた次回、お会いいたしましょう。